
「スーパーフード」と聞くと、どんな食品を思い浮かべますか?
海外の珍しい食品や、少し値段の高い健康食品をイメージする方も多いと思います。
でも実は、スーパーで普通に買える「キノコ」も、かなり優秀な食品です。
低カロリーで食物繊維を摂りやすく、ダイエット中の食事にも使いやすい。さらに冷凍保存もしやすく、味噌汁・鍋・炒め物・パスタなど色々な料理に使えます。
そして近年、キノコに含まれる成分として注目されているのが、「エルゴチオネイン」です。
今回はエルゴチオネインとは何なのか、キノコと腸内環境・ダイエットとの関係、さらに毎日の食事に取り入れる方法まで、研究をもとに分かりやすく解説します。
目次
1. エルゴチオネインとは?
エルゴチオネイン(L-Ergothioneine)は、硫黄を含む天然のアミノ酸誘導体です。
特に注目されているのが、酸化ストレスから細胞を守る働きなどです。
現在では、抗酸化作用や細胞保護作用、炎症、ミトコンドリア、神経系、加齢などとの関係について研究が進められています。
抗酸化・細胞保護などとの関係が研究されている、
注目の食品成分と考えるのが現時点では適切です。
試験管内や動物を使った研究では興味深い結果が多く報告されていますが、人間が食品から摂取した場合に、どの程度の健康効果が得られるのかについては、まだ研究途中の部分もあります。
2. 人間はエルゴチオネインを自分で作れない
エルゴチオネインの面白いところは、人間が体内で合成できないことです。
一部の菌類や細菌などによって作られ、人間は基本的に食事から摂取します。
ところが私たちの身体には、エルゴチオネインを取り込むOCTN1(SLC22A4)という輸送体があります。
↓
食事から摂取する。
↓
身体には取り込む仕組みが存在する。
ヒトを対象とした研究でも、エルゴチオネインを摂取すると血中濃度が上昇することが確認されています。
自分では作れないのに、食事から取り込む仕組みを身体が持っている。ここがエルゴチオネインの面白いところです。
3. キノコはエルゴチオネインの優秀な供給源
では、エルゴチオネインを何から摂ればいいのでしょうか?
そこで登場するのが、今回の主役であるキノコです。
研究では、キノコ類はエルゴチオネインの主要な食品供給源の一つとされています。
ただし、含まれる量はキノコの種類によってかなり異なります。研究によっては種類間で大きな差が確認されており、ヒラタケなど比較的多く含むことが報告されている種類もあります。
料理に使いやすい
炒め物・汁物に
鍋や炒め物にも
かさ増ししやすい
食感を楽しめる
EGTの研究でも注目
「エルゴチオネインを摂るために珍しい食品を探さないといけない」というわけではなく、普段スーパーで購入できるキノコから摂取できるのが大きな魅力です。
4. エルゴチオネインは身体で何をしている?
エルゴチオネインについては、さまざまな生理作用が研究されています。
抗酸化作用との関係
細胞へのダメージとの関係
エネルギー代謝との関係
神経保護との関係
炎症反応との関係
健康・老化との関連
ただし、ここは注意が必要です。
これらの多くは「研究されている」という段階を含み、キノコを食べれば病気を防げる、老化を防げると断定できるわけではありません。
人間にとってどの程度の健康効果があるのかについては、今後さらに質の高いヒト研究が必要です。
5. キノコはどれくらい食べればいい?
「では、エルゴチオネインを摂るためにキノコを何g食べればいいの?」と思いますよね。
実は現在、エルゴチオネインには「1日○mg摂りましょう」という公的な推奨摂取量は設定されていません。
そのため、「キノコを○g食べれば必要量を満たせる」と断定することもできません。
「キノコを1日ひとつかみ」
50〜100g程度を普段の食事に取り入れるくらいから始めると、料理にも使いやすいでしょう。
もちろん50〜100g食べれば特定の健康効果が得られる、という意味ではありません。
エルゴチオネインだけを目的に大量に食べるのではなく、食物繊維なども含めたキノコ全体の栄養価を普段の食事に取り入れると考えるのがおすすめです。
6. キノコは腸内環境にも嬉しい
キノコの魅力はエルゴチオネインだけではありません。
キノコには食物繊維やβグルカンなどが含まれています。
食物繊維は腸内細菌によって利用されるものもあり、便通や腸内環境を考えるうえで重要な栄養成分です。
キノコ由来の成分と腸内細菌との関係についても研究が進められていますが、キノコだけを食べれば腸内環境が劇的に改善するという単純な話ではありません。
野菜・海藻・豆類・発酵食品などと一緒に、キノコも食物繊維源の一つとして取り入れるのがおすすめです。
7. ダイエット中にもキノコがおすすめ
キノコはダイエット中の食事にも非常に使いやすい食品です。
多くのキノコはエネルギー密度が低く、食物繊維も含むため、食事全体のボリュームを増やす「かさ増し」に使いやすいからです。
↓
キノコなど低エネルギー密度の食品を追加
↓
食事のボリュームを確保
↓
カロリーを管理しながら食事を楽しむ
例えば、肉を全部キノコに置き換える必要はありません。
肉や魚など必要なタンパク質源は確保したうえで、そこにキノコを追加する。
こうすれば、食事量を極端に減らさずにボリュームを出しやすくなります。
「食べないダイエット」ではなく、カロリーを管理しながら食べる量を確保する。キノコはそのためにも使いやすい食品です。
8. キノコは冷凍保存が便利
身体に良い食品でも、毎回下処理をするのが面倒では続きません。
そこでおすすめなのが、買ってきたキノコをまとめて下処理して冷凍しておくことです。
ほぐして冷凍
スライスして冷凍
食べやすい長さに切る
スライス・短冊切り
キノコは冷凍することで保存しやすくなり、必要なときに必要な分だけ使えるのが大きなメリットです。
また、冷凍によって細胞構造が変化し、解凍・加熱時にうま味に関係する成分が抽出されやすくなる場合があります。ただし、キノコの種類や冷凍・調理条件によって変わるため、「冷凍すれば必ず旨味や栄養が増える」とまでは言えません。
それでも、保存性と使いやすさを考えれば、冷凍ストックは非常に便利です。
9. 身体に良くても続かなければ意味がない
私は、食事指導で「身体に良い食品」を考えるとき、栄養価だけを見ないようにしています。
どれだけ栄養価が高くても、値段が高い、手に入りにくい、調理が面倒では、毎日の習慣にはなりにくいからです。
そして料理の選択肢も豊富です。
冷凍キノコをひとつかみ
数種類まとめて入れる
肉・野菜と一緒に
ソースの具材として
複数のキノコを追加
そのまま追加
と難しく考える必要はありません。
冷凍庫にキノコを置いて、料理にひとつかみ。
まずはこれくらいで十分です。
10. まとめ|キノコは身近なスーパーフード
キノコを食べれば痩せるわけでも、病気にならなくなるわけでもありません。
それでもキノコには、エルゴチオネインをはじめ、食物繊維などさまざまな栄養成分が含まれています。
🌿 食物繊維を摂れる
🥗 ダイエット中にも使いやすい
🦠 腸内環境を考えた食事にも取り入れやすい
❄️ 冷凍保存しやすい
🍳 色々な料理に使える
🛒 スーパーで簡単に手に入る
こうして考えると、海外から高価なスーパーフードを取り寄せなくても、スーパーのキノコ売り場には十分優秀な食品が並んでいます。
身体づくりで大切なのは、特別な食品を一度食べることではありません。
普通の食事の中で、身体に必要なものを無理なく継続して食べること。
まずは、しめじ・舞茸・しいたけ・えのきなど、好きなキノコを冷凍庫にストックするところから始めてみてください。
天満橋のパーソナルジムTune Upでは、極端な食事制限ではなく、普段の生活に取り入れられる食事の考え方もお伝えしています。
整体・姿勢改善・トレーニングと食生活を組み合わせながら、無理なく身体を変えていきたい方はお気軽にご相談ください。
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公式LINEから体験を相談する参考文献
- Cheah IK, Halliwell B. Ergothioneine; antioxidant potential, physiological function and role in disease. Biochimica et Biophysica Acta. 2012.
- Halliwell B, Cheah IK, Tang RMY. Ergothioneine – a diet-derived antioxidant with therapeutic potential. FEBS Letters. 2018.
- Kalaras MD, Richie JP, Calcagnotto A, Beelman RB. Mushrooms: A rich source of the antioxidants ergothioneine and glutathione. Food Chemistry. 2017.
- Weigand-Heller AJ, Kris-Etherton PM, Beelman RB. The bioavailability of ergothioneine from mushrooms and the acute effects on antioxidant capacity and biomarkers of inflammation. Preventive Medicine. 2012.
- Cheah IK, et al. Bioavailability and pharmacokinetics of ergothioneine in healthy human volunteers. Antioxidants & Redox Signaling. 2017.
※本記事はキノコやエルゴチオネインに関する研究をもとに、一般的な栄養情報として解説しています。特定の食品や成分による疾病の予防・治療効果を保証するものではありません。